猿人の口癖「お前らな!」

部屋を出ると、ゴミ箱を出します。
部屋を出る前に、体を前のめりにして、入口横のスリッパ立てよりスリッパを取り出して、前に並べ、
ゴミ箱を入口の横出します。
そして、立ち上がり、スリッパに足をいれ、立ちあがい、
入口横の部屋の電気を消灯します。
そして、部屋の小脇に抱えて整列位置に向かいます。


整列時に通い袋などの提出

寮のフロア別に同じ工場で作業する兵隊の運搬掛かりが数人いて、
寮から工場にもって行く荷物を集めます。
二人は、清冽視すつある列より通い袋を集めます。
二人は貸本を集めます。
行進が始まると、薬箱を持った運搬係りが合流します。

薬箱は、猿人管理の危険な投薬です。
工場へ持っていき、朝食後の投薬と昼食後の投薬のため各自の投薬袋が入った箱を持っていきます。
寮にあるのは、前日、寮で夕食後や就寝前に飲ませる薬を工場からもって帰っていたからです。


出寮の点呼

通い袋等の回収が終わると、2列に整列して点呼が始まります。
「番号!」
「いち」「に」「さん」「し」「ご」「ろく」「ひち」「はち」「きゅう」・・・・


7は、ななでなくひちです。

てんこの声がうす暗い廊下に響きます。



寮内行進

「前へ」
選択袋と入浴の用具を小脇に抱え、
廃棄の古本をもって、行進しますが、すぐに階段です。


階段を下りると、列を整え、また薄暗い廊下を更新です。

猿人は行進が気にいらないらしく、グチグチ言っています。

階段や出口は他の隊と合流しますので、混雑します。


行進

寮の出口で古本などのゴミを出すと本格的な更新です。
猿人が元気になる時です。
3列渋滞で、おもちゃの兵隊の行進です。
「前へ、前へ」・・・・・・・・・・
「左、右」、「左、右」・・・・・・・・・・
「左!」「左!」・・・・・・・・・・
「オイティニ「オイティニ」
掛け声は、猿人によって様々です。
統一がないのが規則です。
ただ行進は左足から先です。

掛言葉は
「もっと足をあげろ!」
「手を伸ばせー」
「もうちょい 大きく 腕をあげろ」
猿人が声をかけると兵隊は、わざとらしく大きな動作をします。
これがこの社会での常識です。
これを一般社会でやるから刑務所に舞い戻るのです。
でもなれは怖いものです。

「ゼンターイ、止まれ」
1,2、3、4・・・・
手を前に伸ばして、前の人と手の長さだけ感覚をあけて整列して行きます。
そして一番先頭が後ろを振り返り整列していることを確認すると、
一番前から手を降ろして気を付けの姿勢になります。
二番目、三番目と・・・・
前が手を下ろすと将棋倒しのように手をおろして行きます。

「手を伸ばせ」と号令がかかりますが、
指先を伸ばして、親指を付けることです。

「気をつけ!」と号令がかかると、足はかかとを付けて、手は親指をつけて、
ズボンの縫い目に合わせて付け、頭を真っ直ぐにすることです。
「顔は前方」

「休み」と号令がかかると、気を付けの姿勢で、足を開きます。

「お前らな!」
「こんなこともできんから シャバで犯罪を犯すんだ!」
「わかったか!」

まあ、これを読んでいる皆さん方は、当然、
こんな事できませんから、毎日たくさん犯罪を犯しているのですよ。
でなければ、この社会が異常なのです。
兵隊が言っていました。
刑務所に戻るための矯正教育だって。

こんな説教を朝から聞いて矯正教育です。
冬の朝などは、手がちグレそうですよ。
ちなみにこの刑務官は、兵隊たちに「先生」と言わせています。
だから、兵隊は「せんせい!」と言って、次に要件を言わなくてはならないのです。

時々、てんかんで兵隊が ドテツ と大きな音を立てて倒れます。
ウブな兵隊は、びっくりしてビビります。
猿人は少しも慌てません。
「おーい、こいつ又てんかんだ!」
おー怖エーところだ。

てんかんで倒れるのは、行進ばかりではありません、
室内の朝礼で整列したときも、
ドタツと倒れます。
運動の整列のときだって倒れます。
てんかんかどうかわかりませんが、
兵隊はしょっちゅう誰かがどこかで倒れます。

思わず、どうしたんだと駆け寄りたくなります。
社会で生活していれば、そうなります。
それが兵隊にとっては常識であり道徳でもあります。

しかし、駆け寄るのは刑務所では、不良のする行動です。
正しい行動は、見て見ぬ振りをすることです。
もし駆け寄れば、
「離れを!」の罵声です。
言われたとおりにしなければ「処遇」と言う名の刑務所内の警察に送られます。

これほど悲しいことはありません。
でも不思議なことに、
見て見ぬ振りが平気でできるようになるのです。
刑務所を出所しても再び刑を侵して刑務所に戻るのは・・・・と
知ったかぶりに評論家が多いのです。
刑務所は刑務所でしか生活できない習慣に矯正しているのです。
これが何なのかをまず知るべきです。
刑務所で矯正するためには莫大な税金を投入しているのです。
もっと真実を知るべきです。

刑務所の中で、兵隊が集まって群れることを警戒する気持ちはわかりますが、
社会生活の基本が失われるのです。
こんな人間に改造して社会生活をまっとうに出来るようになるでしょうか。


工場に到着

部屋着の更衣室

こんな事をしている内に目と鼻の先にある工場に到着します。

スリッパを脱いで裸足でスリッパ入れにスリッパを入れます。
たかがスリッパですけど、重ね方、方向があるんですよ。

兵隊が皆はいると、部屋着の更衣室は、工場の扉は完全に鍵がかかってしまいます。

フリースの選択のときは、フリースを脱いで洗濯工場の洗濯袋に入れます。
洗濯袋を持っているときは、小さく丸めた洗濯ネットをほぐして洗濯工場の洗濯袋に入れます。
ロッカー番号のハンガーに行き、パンツと丸首シャツ以外の着ているものを脱いでハンガーにかけます。
居室着の洗濯の日は、ポロシャツとズボンを洗濯工場の洗濯袋に入れて、
通路にある検身の列に並びます。
もたもたしていると、この部屋は閉鎖されてしまします。

身体検査

通路が身体検査場です。
順番が回ってくると、検察官の猿人がビール箱の大きさの台の上から検身していますので、
呼称番号を言って、まる首シャツを大きく上にあげ、口で噛んで止め、
パンツの前と後ろを大きく開けて、パンツの中に何も隠していないことを見せます。
猿人が「よし」と言うと、通路の反対側の更衣室に入場します。

この時、靴下とか室内着とか修理があるときは、検身台横に修理箱があるので、放り込みます。

工場着の更衣室

検身が終わると部屋着の更衣室の反対側の工場着の更衣室に入ります。
ロッカー番号の工場着を吊るしてあるハンガーまで行きます。
そこで冬は、防寒用の長袖シャツとズボン下をはきます。
その上に、工場着のボタンシャツを着ます。
そして下は、工場の紺色作業ズボン、上は紺色のボタンシャツです。
ボタンシャツは、いずれも一番上のボタンだけ外したりつけたりします。
つまり、着脱はスポツと首から着るのです。
ボタンをすべて着脱している時間はありません。


急いで、工場用ズックの靴箱へ急ぐように移動します。
指定の靴箱番号の棚からズックを取り出して、通路へ出て吐きます。
ぐずぐずしているとこの部屋もしまってしまします。


どちらの更衣室も狭い部屋ですので、体と体がぶつかります。
すいません、すいませんと言って後ろを通ったり、横に行きますが、
なかには「何だよ」などの因縁をつける兵隊がいます。 工場に入ると絶対に無言です。
一言でも言おうものなら容赦はありません。
「処遇」と言う名の警察に送られます。
「おはよう」とか「すいません」などは禁句です。
表示をするなら、わからない程度に、会釈することです。
でも、そんな余裕はとてもありません。
常に駆け足の状態です。
ときどき涙が出てくることがあります。

通路でズック靴を履きます。
工場の作業場の方をみると、順番に整列しています。
さお、おもちゃの兵隊は、一人で行進です。

まず、一旦止まって、衣服、呼吸を整えます。
そして左足から兵隊さんのように行進して行きます。
一旦止まるのが味噌です。
これを一連の流れのなかで、歩き始めると、罵声が飛びます。
「何やってんだ!」
「戻れ!」
最初からやり直しです。


整列

2列縦隊で、中央は、役付きの幹部兵隊用です。
例外は、当日の目標唱和担当が中央の前列に並びます。


火事が発生したとします、小さな出入り口のドア1箇所に150人くらいが集中しますので、
すぐに扉が空いたとしても間違いなく大勢の兵隊は焼け死んでしまします。
窓はありますが、すべて格子がはいっていますので、入口の扉以外は出口がありません。
鍵は刑務官の猿人がもっていますので、この猿人がもたついたら、被害者は多くなります。
火事だけでなく、水害でも同じです。
あくまでも火事や水害はないという前提です。



朝礼

皆が揃うと猿人の掛け声で整列です。
工場の中央には監視台があり、その上に刑務官の猿人が座っています。
そのほかに2、3人の位置にビール箱程度の踏み台があり、その上に刑務官の猿人が監視しています。 そして点呼です。面白いのは70人以上いますから、1、2・・・
50まで行きますが51はありません。51は1からです。


次は目標唱和です。
毎月、作業安全や整理整頓などの工場での目標があります。
そして監視台の前に、目標が記載された看板を立てています。
これを、兵隊全員が決められた当番でやらされます。
当番は整列位置より、決められた方法で前に進み読み上げます、それを全員が唱和します。
これができなければ何度もやらされます。
怒鳴られる理由は、前に進む時の歩き方、声が小さいなどです。
これが終わると、兵隊歩きで整列位置に戻り、こんどは、
安全衛生の唱和です、
工場の天井に近い位置に安全衛生の標語看板がかかっています。
これを当番が読み上げ、全員で唱和します。
これも、唱和の仕方が悪いと、何度もやり直しです。

これが終わると、当番に代わり兵隊の役付が監視台の前に進み出て、
服装の点検です。
教育訓練で何度も練習をさせられましたが、慣れるのに時間がかかります。
互いに向き合って、決められた順番で工場着の服装、靴について点検をするのです。
工場では必要なのかもしれませんね。

これが終わると、刑務官の猿人が演説を始めます。
マイクを使いませんので、耳が難聴の者には何を言っているか聞こえません。
「わかったか」だけ大きな声で言うので、
「はい」だけ大きな声で言っておきます。

そして、班長の兵隊の役付が、監視台の前に進み出て工具を確認して受け取り、
持ち場に付きます。

そして、平の兵隊が刑務官の掛け声で、持ち場の席に駆け足のスタイルで、
決められた席に移動します。

体操

次は、体操担当の兵隊の役付が監視台の前に進み出て、
ラジオ体操です。
体操担当の兵隊の掛け声に合わせて体操します。
1,2,3,4。 2,2,3,4・・・・・。

着席

体操が終わると、掛け声で着席します。
作業台にあるエプロンを着用します。
次は兵隊の役付が大きな声で電源パネルの視差確認です。

これが終わると、監視台の猿人が指示します。
兵隊は作業安全などを書いたA4の用紙を朗読します。

それが終わると、監視台の猿人が指示します。
「姿勢をただせ!」
猿人がコツコツと見回りして回ります。
「足を揃えろ!」などの罵声が飛びます。
膝小僧はくっつけて座らなければならないのです。
兵隊は、1、2分ほど姿勢を正して沈黙します。

これが終わると、監視台の猿人が指示します。
「作業はじめ!」
ようやく作業の開始です。

寮を出たのが7時45分ころです。
行進して、着替え、身体検査して、朝礼をして作業開始になるのは8時少し回ったころです。
慌しい時間がすぎました。
しかし、長い一日が始まります。


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