このままでは、刑務所が特養になってしまう

刑務所を特養代わりに使う田中
問題意識をもたない司法関係者
刑務所に送りゃいいってもんじゃないんだよ


警備員の吉田は、警察に引き渡さずに田中を諭す。

猿の惑星では恋ができないのだよ。



刑務所を選ばずに有料老人ホームを選択したご褒美に、結婚と素晴らしい余生を贈られた

妻子のいない田中は、長年、会社の寮で生活をしてきた。
定年になり寮を追い出された田中はアパート生活を始めるが、自炊ができない。
そうしたストレスが原因で万引きをやり66歳の時、
2回めにの万引きで懲役3年の実刑となり、猿の惑星へ送られる。
身寄りのない田中は3年後に満期出所してすぐにアパート生活に入るが、
田中は又猿の惑星に戻るため、また万引きをしてしまう。

しかし、この店の70際の警備員の吉田は、警察に引き渡さずに田中を諭す。
田中が言う、
「警備員さんよお、早く警察を読んでくれよ」
「俺はね、刑務所の生活に戻りたいんだよ」
「刑務所はね、ただでね、炊事洗濯食事付きなんだよ」
「運動もできてね、お小遣いもくれるんだよ」
「みんなね、飯がまずいというがね、俺は貧乏で育ったから、おれにはご馳走だよ」


吉田はしみじみと、
「あんた、身寄りはいないということだけど、生活はどうしてんだい」
「年金があるんだろう」
「年金といってもなあ、10万もないんだろ」
「まったく、生活保護以下だもんなあ」
「俺もねえ、年金が少ないから、こうやって警備員をやってるんだよ」
「女房とねえ、もう少し働いて、動けなくなった時のために、少しでも貯めておこうと、言ってね」
「たいして貯金できねえけどね」


田中が、哀れんで言う。
「あんたは可愛そうだね」
「俺はねえ、金はいっぱいあるんだ」
「でもねえ、飯炊きババアがいないんだ」
「飯もねえ、掃除もね、みんな自分でやらなけきゃいけないんだ」
「特養にさあ、申し込しこんだんだけどさあ」
「身元引受人がいないと入居できないって言うんだよ」


吉田は驚いて
「あんたねえ、金がいっぱいあるって」
「いくらあるんだい」


田中が馬鹿にしたように、
「あんたに言う必要はねえよ・・・」
しばらくして
「2500万円以上はあるかなあ」
「いや、それに1000万くらい増えてるよ」
「それによお、年金も23万はあるよ」
「刑務所にはいるとさあ、年金が溜まるからね」
「3年もいると1000万円くらいは貯まるよ」


吉田はしばらく口が聞けなかったが、しゃべり始める。
「あんたね、俺はあんたに説教するつもりはないが、刑務所を特養代わりに使うのは、やめなよ」
「身寄りがなくても、民間の有料老人ホームだったら、保証金を払うから入居できると思うよ」
「まあピンキリだと思うけど、そんあ3000万4000万円もっていりゃ入れるよよ」
「月々はね、年金で支払えるよ」


「ほんとか」・・・・


「ほんとだよ」・・・・


こうして、田中は、郊外の有料ロンジンホームへ入居することになった。
もちろん恵まれた資金があったからである。


田中の財産は退職金等で2500万円、それに猿の惑星でためた貯金が1000万円、年金が月に23万円、


有料老人ホームへ入り、田中は、70歳になる美香と恋をする。
美香は25才で結婚、同じ年の夫直樹と30才で花屋を始めるが、
夫は依願で40才でなくなるが、子供はいなかった。


それで、28歳になる店員の正雄と25歳の雅子を結婚させ、
3人で家族のようにして花屋を営んだので、
直樹がやっていた頃よりも、店は何倍にも大きくなった。
直樹の頃は、クラブや学校、会社などへの外商が多かったが、
正雄は葬儀屋との取引も増やし、従業員も数人置くようになった。


美香が68歳になった時、脳梗塞になったのを機に、正雄を養子にして、
店を譲り、69歳でこの老人ホームへ入居したのだった。


美香は、ボケて田中を死んだ直樹と間違ったのではない。
仕事ばかりの人生から開放された安心感が、田中への恋心となったのである。


二人は、このホームで入籍して夫婦となった。
幸い、このホームは夫婦での入居者もいるので、ここで二人が暮すことに障害は何もなかった。
二人が暮す部屋の資金は、正雄夫婦が出してくれた。


田中は猿の惑星での生活を臨んだが、恋愛は猿の惑星では味わえないことである。
まして、夫婦が一緒に生活することなんてできるはずもない。

スーパーの警備員の吉田との出会いが、田中の人生を変えたのだった。


そして田中は、有料老人ホームで、素晴らしい余生を送るのです。



猿の惑星は、人間の住むところではないのですよ。
お金じゃないですよ。
恋をするから人間なんです。


でも人間の生活をしたくて、泣いている冤罪被害者はたくさんいます。
誰が助けてあげられるんでしょうか。
無期懲役とは、死刑と同じなんですよ。
彼らには恋の前にまず生をあげることです。


南無観世音菩薩 南無観世音菩薩 南無観世音菩薩 南無観世音菩薩 南無観世音菩薩・・・・


どうぞ、冤罪被害者を助けてあげてください
海の怪獣じゃなくて、
人間の怪獣から殺されそうなんです。
助けてあげてください。
大きな耳ですよね。
聞こえましたか。
南無観世音菩薩 南無観世音菩薩 南無観世音菩薩 南無観世音菩薩 南無観世音菩薩・・・・



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